I want to protect you
□十三章
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少し安心した時だった。
遠くから獣の鳴き声と、こちらに向かってくる鳴き声が聞こえた。
それはどんどんこちらに向かって走ってくる。
見えたのは、大きな魔獣。
忌々しい、ホーリーナイトメア社。
シリカはすぐに臨戦態勢に入ったけれど、銃も剣も全く効く様子がない。
ソードとブレイドも足止めで精一杯だった。
途中で剣が弾かれてしまう。
フームがカービィに指示を出し、カービィは吸い込みを始める。
吸い込んだのは・・・ブレイドの剣。
ソードカービィとなった彼は、魔獣と戦う・・・が苦戦を強いられた。
カービィが魔獣の鋭い鎌のようなものを叩き切るが、すぐに再生してしまうのだ。
何を考えついたのか、起き上がったシリカは再びギャラクシアを手にした。
そして、母がそうしたのなら・・・そう言ってカービィの元にギャラクシアを投げた。
魔獣もそれに食いつくが、メタナイト卿がシリカの銃で魔獣の態勢を崩し、カービィは無事ギャラクシアを手にする。
「ギャラクシアソードビーム!!!」
カービィの凛とした声と共に、ギャラクシアから光が放たれた。
それは魔獣を切り裂き、魔獣は爆発してしまう。
母さんは最後まで立派だったんだね・・・。
そう呟いたシリカはどこかふっきれた様子で、もう敵意は感じなくなっていた。
意識を持つというギャラクシアが、彼女に何か伝えたのかもしれない。
カービィもギャラクシアが使えるなんて、成長したなあ・・・。
これなら・・・いつかナイトメア社も・・・。
・・・なんてね。
自嘲の笑みを浮かべて、私はそっとその場を後にした。