I want to protect you
□十章
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地下へと続く階段で、不自然に落とされたビデオカメラを発見した。
馬鹿みたいなくだり(フーム談)は早送りし、最後の方を見る・・・と、いきなり陛下が鎖に繋がれ、血まみれ(本物かどうかは怪しい)になっている映像が入っている。
子供達だけでも逃がしてやってくれ・・・。
その台詞を最後に、映像は切れていた。
胡散臭さ満載ね。
この子達は騙されてしまうんでしょうけど・・・。
「大変だ!俺達のせいで!」
「見過ごせないわ!」
「ぽよーー!」
三人は焦った様子だ。
「どうかしたのか?」
今まで分かれていたメタナイト卿がやってくる。
説明する時間すら惜しいのか、ブンがメタナイト卿にビデオカメラを渡したのを皮切りに、三人は駆け出して行ってしまった。
残った私はメタナイト卿がどういう判断を下すのか観察することにした。
「・・・これは!?」
・・・何か見つけたみたいね。
「リマナ、急ぐぞ!」
「・・・かしこまりました。」
フーム達の後を追って、地下へ向かう。
やはり、この人は一筋縄ではいかない。
私は、何故かそのことに安心感を覚えた。
この人がいれば、カービィは・・・村は安心な気がする。
・・・ううん。
それでは、駄目だ。
それでは、私とマナトは一生・・・。
いや、もし・・・。
もし、彼やカービィがナイトメア社を滅ぼしてくれたら・・・?
・・・なんて。人任せなんて駄目よね。
地下室に着くなり、メタナイト卿は剣を投げて陛下に走り寄ろうとしていたカービィに当てた。
・・・あれはデリバリーシステム?
カービィをあれに乗せるつもりだったみたい。
「作戦は成功かゾイ?」
「いいえ、失敗です。急遽魔獣を送らせて頂きます。」
そして、何故かある画面にはカスタマーの姿。
まさかこんな所にまで通信システムがあるとは思わなかったわ。
「本当にナイトメアの罠だったのか!」
「汚いわよ!」
私はカスタマーよりも、その馬鹿な話に乗った陛下が汚いと思うけど・・・。
送られてきた魔獣は、小さなドクロ。
「ドクロ魔獣、ガボンです。」
「カツーン!」
なんだかあまり強くなさそう・・・。