賢者の石
□一章
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「おお、くるとおもっとった。」
何でもお見通しなダンブルドアに少々苛立ちはあったものの、今回は喧嘩を売りにきたわけではないのでさっさと話を進めようと試みる。
入学までの期間、禁じられた森で野宿していたから久し振りにゆっくり布団で寝たいのだ。
「四階の右側の廊下・・・何を隠しておいでですか?」
「うむ・・・まあ、おぬしには知らせるべきかのう。“賢者の石”じゃ。」
賢者の石。聞いた瞬間に我が君が欲しがりそうなものだと察しがついた。
そして、その石が持つ大きすぎる力も・・・。
「なるほど・・・それで、もしかしなくてもあちら側の人間が潜り込んでたりとか・・・?」
我が君は欲しいものがあれば手に入れようとするし、それこそ悪知恵に関しては天下一品だからすぐさま作戦を立てて自分側の人間を送り込むだろう。
「その可能性は大いにある。が、まだ調査中じゃ。何か分かればおぬしにも知らせよう。」
その言葉が聞ければ十分。もうここに用はない。
「情報ありがとうございました。失礼します。」
フーリンはローブを翻し、校長室を後にした。