短
□*待ちぼうけ
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臨也と付き合って何年たっただろうか。
俺は今臨也に手紙を書いている。
以前、臨也から手紙が欲しいと言われて書いてみたのだが、手紙なんか書いた事がなかったから不器用で、たどたどしい文章だった。だけど臨也は笑って受け取って、返事をくれた。
いつもメールでやりとりしていたが、たまにはこういうのも良いな。と思った
今、俺は毎日の様に手紙を書いている。毎日毎日、何枚も書いてくに連れて、ネタが無くなってきた。
今日の昼飯、今日仕事で、今日セルティと
なんだか代わり映えがしない手紙を改めて見て、くしゃっと丸めてゴミ箱に捨ててしまった。
もやもやとした気持ちのまま、仕事に出て、次の取立て先に向かう途中の本屋である本を見つけた
「ポエムか…」
「なんだあ静雄、おめーポエムなんか見んのか?」
「いや、何か気になって…ちょっと買ってきます」
「おー俺はそとで待ってるからなー」
「うす」
仕事が終わって、
早速包装を剥がして「ポエム集」と書かれた本を開いた
これだ、と思った。
書こうと思えば書けるもので、
俺の日課の手紙は、その日からポエムへとなった。
《1年目はがむしゃらだった
毎日毎日欠かさず書いた
執拗に切手を舐めた
君に届け僕の唾液(こころ) 》