□*待ちぼうけ
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*君への愛を綴ったポエムを送り続けて15年
返事はまだ来ない

返事はまだ来ない。


臨也が好きだ。
初めてそれを自覚したのは高校生の時。
殺したいと思っていた相手が、いつのまにか恋愛対象になっていたなんて
「死ね」、なんて聞きあきたと思っていたのに、言われる度に傷ついた。
「てめえが死ね」なんていつもどおり返して、家に帰った時に「また言っちまった…」と後悔するようになった

それに気づいた時は戸惑った。
有り得ねえ、気の迷いだ。
そうやって押し込んできた気持ちだったけど、ある時、いつもの様に殺し合いをしていたら、つい、ポロって言っちまった。

いつも気持ちわりぃ笑い方してた臨也が、ポカーンとしてた。

ああ、こいつもこんな顔できんだな…て思ったら、俺の中の臨也への気持ちが、ぶわぁって溢れてきた

「シズちゃん大丈夫?熱でもあるん時ゃないの?俺が好きとか、風邪どころじゃないよ!新羅に見てもらわなきゃ!!」

正直、気持ち悪いって言われるのを覚悟してたけど、臨也の口から出てきた言葉は全く違った

おれのおでこに手を当てながら言う臨也は可愛くて、俺は畳み掛けるように言ったんだ。

「本気だ…俺はてめぇを愛してる」

「殺したいんじゃなかったの?」

「今でも殺したいけどそれ以上にてめえが好きなんだ」

「なにそれ」



ふわりと笑う臨也の顔は、少し赤みがかってて、
俺は、絶対、こいつから離れないと、誓ったんだ
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