君がいる夢、あなた達がいる夢

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写真を撮るのが好きだ。

旅行先にはもちろんカメラリュックに一眼レフとレンズを入れて行くし、近所を散歩するときにはデジカメを持ち歩く。

同じ風景なんてない。
昨日はカラカラに乾いていた花が今日は雨に濡れて光を反射し輝いているかもしれない。

必ずそういうものに出会うから、出かける前に撮るものは決めてない。


でも今は、撮りたいものがある。





――――――――




「ねぶた行きてー」


「またそれかよあろま」


「行きてーもん」


「ぜひ来てくださいよ」

「行くぜってー行く。ねぶた撮る」


「珍しいな。あろまがそこまで撮りたいものあるって」



「あ? …そうかもな」



なんでだべ。




「俺見るより跳ねたい!」


「跳人は楽しいですよ!」



●が珍しく声を大きくした。



「誰でも跳ねれるの?」


「衣装をちゃんと着れば誰でも跳ねれます」


「疲れないか?」


「途中で抜けれるから大丈夫です」



年甲斐もなくわくわくしている3人の質問に答えたあと、●は俺を見た。



「人いっぱいでもけっこうちゃんと見えますよ。でっかいので! 目の前に来た時の迫力なんてすごくて」



言葉に熱が入る。

●の顔はどこか誇らしげで、心から地元が好きだと伝わって来る。

俺たちと同じだな。



「いいな。絶対行くわ」


「あろま先生お供しますぜ」



お前のゲス声はいつ聴いても腹立つな。



「荷物持ちとしてな」


「いいぜ!」



いいのかよ。

そのいい笑顔も腹立つ。



「今年のMSSP旅行は青森にけってえええええい! 案内頼むぜ●!」


「えっ、はい!」



結局お前らも来んのか。


…まあ退屈はしないし、荷物持ちができたし、いいか。



8月が楽しみだ。



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