君がいる夢、あなた達がいる夢
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あの夢の意味について考えてみた。
俺は、ゲームが好きだ。
あいつらと遊ぶのも好きだ。
それは多分あいつらも同じ。
じゃなかったら何年も一緒にいない。
俺たちは社会人だから、遊べる時間は少ない。
いや、少なかった。
でも今は夢の中で遊んで、朝が来ると疲れが取れている。
つまり俺は得をしている。
じゃあ、●は?
――――――――
「●」
「はい」
なぜかスマブラで一騎打ちを繰り返してるきっくんとあろまを見ている●を呼ぶと、わざわざ俺の隣に来てくれた。
「どうしたんですか?」
「この夢を見始めたきっかけってわかるか?」
「うーん… なんだろう。わかりません」
「だよな」
「あ、でも私寝る前にゲームしてました。1人でやってたんですけど、大人数でやったらもっと楽しいんだろうなって思いながら寝ました」
「それで気がついたらここにいたのか」
「はい」
「不思議なこともあるもんだな。●はこの夢楽しいか?」
「わや楽しいです! 弟がいるんですけど、連れてきたいくらいです」
「弟がいるのか」
「はい、3こ下に」
「そうか」
●情報が増えた。
そこで話が途切れて、俺たちはテレビ画面に集中した。
●をこっそり見るとFBが加わった対戦を楽しそうに見ていて自然に頬がゆるんだ。
この夢の意味は結局わからないが、楽しいからどうでもいい。
考えないことにしよう。
いつまで続くかわからない楽しい時間をただ楽しむため、●の手を引いてあいつらの間に割り込んだ。