君がいる夢、あなた達がいる夢

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暑い。



7月のはじめ、今日の青森の気温は…何度だっけか。

とにかく暑い。



扇風機の風を受けている室内でこれなんだから、外は灼熱地獄だろう。


今からその地獄の中を歩くんだけど。




「姉ちゃんどこ行くの?」


「コンビニ」


「あぁ、ゲーム?」


「そうそう。今日までだからね」


「気つけてね」


「うん。鍵よろしくー」


「はいはーい」





玄関を開けると熱気がまとわりついた。


この中を往復30分歩かなきゃいけないなんて。


今度から自転車がパンクしたらすぐに修理に出そう。





――――――――




「あーなたーのー欲望がーみーんなのー欲望が」




帰り道、イヤホンから流れる最近はまっている曲『THE WORLDS』を口ずさむ。

そういえば作者をチェックし忘れていた。

帰ったらすぐに調べよう。




「この星壊すー力にーもーなーるーかーら」




行きよりも暑さを感じないのは高揚感のせいか。

たくさんゲームをする4人が持っていて、面白いと言っていたゲームが数日後に届く。

早くやりたい。




「二度と戻ーれーなーいそーれならーもう一度」




目の前に道が2本。


たまには近道を通ってみよう。

薄暗いけどまだ夕方だし。


今朝、物騒なニュースを見たけど、私には関係のないことだ。




「やり直ーすーだーけーこの世界はー」




隣の県で女子高生が通り魔にあったらしい。

1人で歩いていたところを後頭部を殴られて、財布を取られたと。

ちょうどこういう道で。




「Bad End わ 」




















…あぁ、犯人は未だ逃走中、とも言ってた、な、あ。



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