葬儀屋夢物語

□貴方の側に…
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「お、準備出来たか?」

シエルとセバスチャンが外で待っていると荷物をまとめていたススカが馬車の方に向かってきた

「うん お待たせ」

「すごい荷物だな」

ススカが元々持ってきていた荷物、シエルに買ってもらったものを合わせると結構な量になっていた

「お持ち致します お嬢様」

「ありがとう」

ススカに荷物を手渡されるとセバスチャンは馬車に運ぶ

「僕らも乗るぞ」

そう言って、シエルが足場に足をかけた時、どこからか声が聞こえた

「おーい!」

「ん?」

シエルは声のする方を見る

「アバーライン!」

走って此方に向かって来るアバーラインを見つけた

「あっ、貴方は」

ススカはアバーラインの事を思い出した

「やぁ、ススカちゃんやっぱり此処に居たんだね」

「えっ?」

「アバーライン、どうしてお前が此処に?」

「あぁ、ススカちゃんに用事があってね」

「何故ススカを知っている?」

そう聞くとアバーラインはシエルの耳元で言う

「ススカちゃんとは事件で知り合ってね」

「事件?」

「あぁ、ススカちゃんのお母さんが殺害されたときに僕が関わったんだ それで事件のことを聞こうと思って…」

「そうなのか…」

そんなことを話しているとススカが口を挟んだ

「あの…」

「な、何だい?」

「どうしてさっき『やっぱり此処に居たんだね』なんて…?」

「あぁ、君が此処に居るだろうと言うことは彼から聞いたんだ」

「“彼”ってまさか…」

「葬儀屋さんだよ?」

「! アンダーテイカーに会ったんですか?」

「あぁ、昨日君が居ると思って店に行ったんだ」

「そうだったんですか…」

ススカの顔が暗くなる

(やっぱりアンダーテイカーは私が此処に居ることを知ってるんだ…)

そんなことを思っているとアバーラインから以外な言葉がかけられる

「彼、元気が無かったけど君達何か遭ったのかい?」

「えっ? 元気が無かった?」

ススカは顔を上げる

「それでススカちゃんの話題になると目に見えて更に元気が無くなったから『ススカちゃんと何か遭ったんですか?』って聞いたら『聞かないでおくれ…』ってね」

「…………」

そんな会話を聞いていた二人はススカに言う
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