葬儀屋夢物語

□お互いの気持ち
『ススカ編』
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―コンコン

朝、ススカはノックの音で目が覚めた

「ん…? んん〜」

ススカは大きくのびをすると辺りを見回し、はっ とする

「あっ そっか私… 昨日シエルの所に泊めてもらったんだった…」

―コンコン

「お嬢様? 起きていらっしゃいますか?」

再びノックされセバスチャンの声が聞こえた

「あっ! ごめんなさい どうぞ」

慌ててススカはドアの向こうにいるセバスチャンに声を上げる
するとセバスチャンが入ってきた

「おはようございます。ススカ様」

「おはようございますっ」

「朝食の準備が整いました。お着替えが済んだら廊下に居ますのでお声をかけて頂けますか?」

「あ ありがとうセバスチャン」

軽く一礼してセバスチャンは部屋を出て行こうとする

その前にススカは言う

「あ、あの セバスチャン!」

「何でしょう?」

ニッコリを笑いかけるセバスチャンにススカは申し訳なさそうに言った

「あ、あのっ… この間はごめんなさい いきなり振り払ったうえに… 声を上げてしまって」

「そんなこと気になさらないで下さい お嬢様が無事で良かったです」

そんな言葉にススカはホッとする

「ありがとう… セバスチャン」

「どういたしまして」

そう言うとセバスチャンは廊下に出た

「えっと… 着替え… 着替え…」

ススカは昨日詰め込んだ荷物を漁りだした



―ガチャ

「お待たせ セバスチャン」

廊下にいるセバスチャンに声をかけるとニッコリ言う

「では、参りましょうか」

二人は歩き出した



ススカは今まで見たことのないような、いかにもお金持ちが食事するような長いテーブルに驚いた

(すごっ)

「何固まっているんだ? ススカ、早く座れ」

先に座っていたシエルは固まっているススカに促す

「え、えっと」

座る場所がわからずオロオロしているとセバスチャンが椅子を引いてくれた

「どうぞ お嬢様、此方の席にお座り下さい」

「ありがとう…」

ニッコリ言うススカ

「いえ、気がつかず申し訳ございません」

二人が話していると シエルは少し面白くなさそうにセバスチャンに言った

「セバスチャン、ススカも来たんだ 早く朝食を持ってこい」

そんなシエルの表情を読みとったのかセバスチャンはクスッと笑う

「かしこまりました 少々お待ちください」

セバスチャンが見えなくなるとシエルはススカに聞く

「ススカ、昨日はよく眠れたか?」

「うん! いきなり押しかけたのにごめんね」

手を前に出して合わせるとゴメンのポーズをとる
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