別世界夢物語

□犬の名前
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−翌日−



「(何でまた来てんだ俺はよぉぉぉ!!)」



恋次は心の中で叫んだ



目の前には十二とかかれた門



不幸なことにまた恋次は此処に訪れることになってしまった



がっくりと肩を下げ、恋次はその門を開ける



「行きたくねぇ行きたくねぇ行きたくねぇ…」



呟きながら足は進める



「涅隊長に渡さねーといけねーかな… 副隊長でも良――」



と、その時副官であるネムを見つけた



「お、ラッキー!」



恋次は早足でネムの元へと急ぐ



「涅副隊長!」



ネムは無表情で振り返る



「これ、涅隊長に渡しておいてくれねーか?」



「わかりました」



ネムはそれを受け取る



「サンキュー、助かったぜ」



恋次はほっと安堵の息を漏らし、さっさと十二番隊を出ようと決める



「お疲れ様です」



「じゃ、俺は行くから」



片手を上げて来た道を行く





丁度門の端に目をやり、恋次は顔を歪めた



「ゲ… 涅隊長…」



恋次は柱に身を隠す



ようやくこの門を潜れば十二番隊から出られるのにその前にマユリがいる



そのマユリは恋次に背を向けて研究員の阿近と話をしている



「いや、これなら気づかれずに行けるんじゃねーか?
話し掛けたら話し掛けたで
『大事な事を話してるのに邪魔するんじゃないヨ!!』
とか怒られそうだし…」



よし、と恋次は決めて抜け足で門の方へ行く



「(よし、気づかれてねーな…)」



キィィィ…



ガッ!!



恋次の肩に手が置かれた



「ヒィ!!?」



ビクッ!! と肩を上げると恋次は首を油の差していないドアのように回す



目の前にマユリの顔がある 恐っ ←



「君、私(隊長)に挨拶もせずに随分と偉くなったものだネ?」



「い、いや… お邪魔したらいけないと思って
なんか阿近と話してましたし…」



恋次が控え目に言うとマユリは言う



「当たり前だヨ 私の邪魔をしたら薬品漬けにするヨ」



「だったら挨拶しなくて――」



「隊長に副隊長が挨拶をしないなんて六番隊の教育はどうなっているのかネ?」



 
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