side REIKO

□双獅子の末裔:第一章
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ワタシはテラスに立ち尽くしていた。何をする訳でもなく、ただ景色を眺めながら……。

『ぽすっ』

暫くして、頭に誰かの手が乗せられ、そこで初めて誰かに後ろを取られたことに気付き、後悔する。
何故そんな事にも気付けなかったのか、と。

「こんな所で何をしている?」

背後に立っている人物はワタシの頭に手を乗せたままで問い掛けてくる。
その声で相手が誰なのかを理解したワタシは振り返らず、相手の手を払いながら問い返す。

「団長こそ、何故このような場所に?」
「俺は今夜の主役を探しに。で、キミは?」

苦笑しながら、団長アスラン・ザラが言う。

「黄昏待ちです」

ワタシは団長を見ないまま答えた。僅かに声が震えていたのは敢えて気にせずに。
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