side REIKO

□壊れかけのオルゴール
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全ての始まりは、誰も知らないような山奥の、人も住めないような小さな廃墟の村、蒼珠(そうしゅ)。
故意に破壊されたであろう、冷たい色の建物が立ち並ぶそこの住民なんて当の昔にみな出て行ってしまったのだ。
たった一人の少女を除いて全てが。



毎日毎日、雨の日も雪の日も、嵐の日でさえも、この寂れた廃墟のためだけにその少女は歌い続けた。
きっと、それが少女に課せられた運命で。
少女自身も、それ以外のことをしよう未来なんて想像もできなかったのだろう。





そう、彼らに会ってしまうまでは……。
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