二人の頂物
□幼なじみと
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《幼なじみと》
鉛筆の音と本をめくる音だけが聞こえる場所。
図書館
館脇はこの場所をよく訪れる。
静かで…とても落ち着く。
「ミッチー!」
「光…」
頭を抱え館脇は机にうなだれる。
この幼なじみはいつだって言うことをきかない。
前から図書館では静かにしろと言ってあるのに。
「ミッチー」
「なっ!黎琥!」
顔を上げると光と腕を組んだ黎琥がいた。
「これから光とお買物行くけどミッチーも行く?」
「ちょっとあなた達…」
司書さんと思われる人が三人の前に静かにしろといわんばかりのオーラを出している。
「す、すみません」
館脇は急いで本をしまい、図書館を出る。
「ちょっとミッチー!何も図書館から出なくても…」
「黎琥までミッチーって呼ぶな」
「えーだって可愛いじゃん?ね、光」
「うんうん。でも黎琥ちゃんの方が可愛いよっ」
そう言い光は更に黎琥にくっつく。