side REIKO

□双獅子の末裔:第二章
1ページ/6ページ

「……うぅー……ん?」

気が付くと、ワタシはふかふかな布団の上に寝かされていた。
あの後団長等によって運ばれたのだろうが、ワタシの部屋ではない。

(誰の部屋だろうか? ついでに言うと誰がドレスから着替えさせてくれたのだろう? まさか……)

そこまでいって思考が止まる。
今更恥ずかしいだの何だの言うつもりは無い。
けれど流石に昨日の今日では心苦しいというか……。
正直人を、ソレもばっちり女のワタシを着替えさせている二人、と言うのが考えられないし考えたくもないというのが本音だ。
……と、まぁそれは置いておいて。
そろそろ現状把握に移ろう。

気になることは二つ。

一つ目は当然今現在ワタシの居るこの部屋が誰の部屋なのか。
自分の部屋で無い事はよくわかっているが、ならば誰の部屋なのか。
造りからすると団長か副団長だろうが後で謝らなくてはならないことを考えれば、はっきりさせておかなくては、と端からすればどうでもいいような危機感に迫られる。

そして二つ目は時間。
窓の方から聞こえるその他団員の威勢のいい声が聞こえる事からするに明らかに寝過ごしている。
理由はどうあれ、完全なサボりだ。
時間によっては言い逃れ位は出来るだろうか? 等と考えてみたりもする。

「どっちから確かめよ……やっぱり時間かな? となるととけ……ん?」

とりあえず立ち上がろうと体を、起こした時にふと一枚の紙切れが目に止まった。
それを少し持ち上げてみると恐らくワタシ宛てであろう書き置きだと解る。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ