Title
□・隙間と貴方
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だけど、私はその術を知らなかった。
むしろ、不思議になった。
どうして貴方は私に気付かないのか。
私はこんなにも貴方を想っているのに。
私こそが貴方を理解できるのに。
一体、どうして?
何かがおかしいに違いない。
何かが貴方と私を隔てているに違いない。
どうして貴方は気付かないのだろう。
どうして私に気付かないのだろう。
私に、
こんなにも大きな 私の想いに―
…ああ 、 ひょっとして
それは貴方が他の物に夢中だから?
貴方があの、貴方と私を引き合わせた物に夢中だから?
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