BunBoom
□5》number 6
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赤のナンバリングを受け取って、充貴はコートに立った。
まっすぐ視界に捕らえた雄太は、白のナンバリングを身につけたまま、リング下で呼吸を整えている。
「雄太」
決して大きくはない声で呼び掛ける。
雄太が顔を上げた。
そして、笑う。
「よぉ」
つられるように、充貴は口角を引き上げた。
再び空気を震わせて、アラームが 鳴る。
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「―終了でーす、 クールダウン始めてください!」
陽日の声で、部員達は動きを止めた。
充貴もドリブルをやめて、歩を緩める。
最後のワンセット、中盤から雄太に疲れが見え始めた。
雄太は、やはり速かった。
それは確かだし、3on3自体には何の不満もない。
しかしそれでも、絶好調の雄太と戦えなかったことは若干心残りでもあった。
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