BunBoom
□5》number 6
3ページ/6ページ
浮き立っていた気持ちが、急激に塗り潰される。
心臓が俄かに早鐘を打っていた。
これほどまでに動揺する自分に苦笑しようとしたが、思うように頬が動かせない。
聞こえてくる小刻みの鼓動は、まるで自分のものではないかのようで、気持ちが悪かった。
不安が膨れ上がる。
充貴は瞳を閉じた。
ひたすら鼓動を鎮めようと試みる。
…大丈夫。
胸の内で小さく呟いて、静かに息を吐き出した。
気付いてはいない。
きっと。
自分に語りかけながら、気持ちを落ち着かせていく。
大丈夫、大丈夫だ―…
ゆっくりと、目を開く。
けたたましい音で、アラームが鳴った。
★