BunBoom
□5》number 6
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早く戦いたい、と 思う。
ただの練習とはいえ、競い合う相手の活躍を黙って見ているのは、もどかしかった。
同じ色のナンバリングを身につけた友人とハイタッチをする途中、雄太の視線が充貴へ向いた。
どうだ、とでも言うかのように、不敵に口の端が釣り上がる。
一瞬呆気に取られた後で にやりと笑みを返し、充貴は壁から背を離した。
このヤロウ、か。
待ってろ、だろうか。
言いようのない感情が幾つも入り交じり、自分もコートに立ちたいという思いは、一層強くなる。
バスケットをすることが、そして、雄太というライバルが居ることが、純粋に、楽しかった。
3on3もそろそろ交代だろうと、充貴は電光のタイマーを見る。
残り、30秒。
タイマーの傍らに立つ新藤陽日に気付いたのは、そう認識するのと同時だった。
充貴はほとんど反射的に目を反らす。
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