BunBoom

□7》same, each, but
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ああ、と修平は頷く。
安田は崎西中出身だ。先日雄太に家の場所を尋ねた際返ってきた「崎町」との答えは、記憶に新しい。

「ていうか充貴って誰」

「ああワリ、なんでもない。……で何、大丈夫ってどういう意味で?」

部内イジメとか、今更ねぇよ、と、冗談めかして付け加える。安田は面白そうに笑って手を振った。

「違うって。あいつさ、去年ヒザ壊したらしくて。手術はしてないらしいとか聞いたけど、ちょっと気になっててさ」

「え、マジ。大丈夫なのかよ?」

予想外の言葉に、修平は思わず聞き返す。

「まー、続けてるんだから大丈夫なんだろうけど……。まあ、そういう訳で。雄太のこと頼むよ神谷」

おもむろに腕を組んで、安田がにこりと笑った。
気が抜けるのと同時に、呆れにも似た心持ちになる。

「……なァにが『頼むよ』…そんなに可愛い後輩が気になんなら、てめぇがバスケ部入りゃいーだろうが」

ふざけ半分に安田の首に手をかけて苦々しく吐き出す修平に、安田はけらけらと笑いを返した。

「むーりだって。俺もう高校のレベルにはついてけないもん」

あまりにさっぱりとした返答に返す言葉もなく、修平は溜息をついた。と同時にチャイムが鳴って、慌てた様子で安田がロッカーから教科書を取り出す。僅かな驚きを胸に、修平は携帯の画面を確認する。始業まであと2分。時計がずれているのだと気付き、眉をしかめた。

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