BunBoom

□7》same, each, but
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「あ、なぁなぁ神谷!」

廊下を歩いていた修平は、突然にかけられた声に立ち止まった。
ロッカーの前、声の主はすぐに見つかる。
視線がぶつかると、彼、安田広司はその顔ににかっと笑みを浮かべて、修平の方へ歩み寄ってきた。

「この間、バスケ部練習試合だったんだよなー? お疲れ!」

「おー」

簡単に応じながら、修平はポケットから携帯を取り出した。
4限の始業まであと4分。
安田のお喋りに付き合っても、授業には間に合うだろう。

「どう今年、いけそー?」

ポケットに携帯を戻すのとぴったり同じタイミングで、安田が言葉を続けた。
部活こそ続けなかったものの、事あるごとにバスケ部を気にかける安田は、やはり、バスケットボールが好きなのだと修平は思う。

「まあまあじゃねーの。一年もうまい奴入ってきたし」

修平の答えに対し、安田ははっとして表情を変えた。

「あ、そうだ! 雄太 大丈夫?」

「雄太? 充貴じゃなくて?」

修平は訝しげに安田を見返した。
安田なら、他のバスケ部員から、練習試合の様子を聞いていてもおかしくはない。それならば、大丈夫かという問いの対象は雄太ではなく、試合中に倒れた充貴の方ではないのか。
しかし安田は首を横に振った。

「いや、雄太雄太。俺、あいつと中学一緒でさ」

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