宝石と怪盗.

□満月
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おでこに痛みが走った。
それはデコピンされたときの痛みとそっくりで。
痛みは消えるのと誰かが大声を出したのと同時に声が聞こえた。

最初はぼんやりと。


『ーー…まず階段を3階まで上って廊下の奧にある部屋に入る』


周りには誰もいないはずなのに耳にはしっかり声が聞こえる。
軽く頭が真っ白になって、とりあえず聞こえてくるその声を聞いていると聞き覚えがある声だと分かった。


「…これってもしかして

キッドの声…!!?」


え、ええ!?


『ーその部屋にあるクローゼットを開けてハンガーに掛かっている服と服との間に隠れている窓があるから、そこから縄をおろし降りる、その縄や後処理はじいちゃんがやってくれるから任せて……』


なんかよく分かんないけど、これは逃走路のことを言っているようにかんじた。てかクローゼットの中に窓って…。
これまでツッコミたくなるような出来事が起きすぎているのでこのくらいは甘いもんか、と考えることにした。




『ー美術館の裏にある森の湖に行く、
そこでじいちゃんと待ち合わせる』




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