宝石と怪盗.
□迷子
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気に入った洋服を買い終え、お昼も近くのカフェで済まし、ぶらぶらと街を散歩していた。
時刻は午後3時を示していた。
まだ3時、か。
予告時間まで結構あるなぁ…。
…ここから咲原美術館までは電車に1時間くらい乗って、徒歩で20分くらいか。
キッドは必ず下見しに来るし、美術館で絵とか見るの好きだし、わたしも行ってみようかな。
咲原美術館に着いたのは午後7時になっていた。
「こんなに迷うなんて…」
まず電車を乗り違え、咲原美術館の近くの駅に着いたのは午後6時をすぎていた。さらに、あてずっぽうに歩いていたら迷子になってしまっていた。
そこらへんにいた人に場所を案内してもらって無事に着けたのだった。
その人(男子)とは案内してもらってる途中、相手がとても人懐っこい性格だったのですぐに仲良くなれた。
年は私の1個下らしい。(私が高校2年だという設定を使ってみた)それを知った途端、敬語になったので、そのままでいいと言ったら可愛いくしゃっとした笑顔を向けられ、思わずキュンとなった。
私って可愛い系男子に胸きゅんするのか…。可愛いからしゃーないよな、うん。と訳のわからない言い訳を心の中でしながら美術館の中を見渡す。
すごく綺麗で引き込まれてしまいそうな絵や宝石に目がいった。
すっかり隣の人のことを忘れて絵に夢中になっていると…
「なぁ、俺と一緒にここの美術館回らねーか?」
「へ?」
「ここの美術館、1回来てみたかったんだ。」
一瞬驚いたが、ここまで案内させて貰ったのだから私にもできることはしたい。
「うん、わかった!」
やった、と彼が言い無邪気な笑顔になると、私もつられて口が緩み、笑顔になった。
「悪いけど、ちょっとトイレ行ってくるから待ってて!」
「りょーかい!」
ーー