宝石と怪盗.
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自分でも馬鹿だな、なんて思いながら携帯に目を移す。
先程ふと見つけた広告。
『あなたの行きたい世界は?どこだろうと叶います。』
タップしてみるとそこにはいくつかの質問があった。姓名、生年月日や性別、最後にどの世界に行きたいか、というものだった。少し、いやかなり胡散臭いが何故かあまり疑わなかった自分がいたのだ。
そしてあとは完了、というボタンをタップするだけだった。
自分の心臓がどんどんと高鳴っているのが分かる。
覚悟を決め、指を画面に触れた。
その途端、目眩がして、気を失うように倒れたのをうっすらと感じた。
意識が遠のいていく中で、あぁこれからどうなるんだろう、家族にも友達にも何も言わずに行っちゃったら心配するだろうなぁ、とかどうせなら漫画とDVDもそれに携帯も連れて行きたい。なんて馬鹿馬鹿しいことを思いながら視界が暗くなっていった。