私は何ものにもなれない
だるまさんが転んだ
だるまさんがころんだ
ダルマサンガコロンダ
「だるまさんがこーろんだ」
その瞳が捕えたのは“だるま”――
――“だるま”が囚われたのはその瞳
「つかまえた」
鎖は絡みついて取れることはない。
赤い血を流して泣き叫んで、哀願して、行く尽く場所はどの“だるま”も同じ場所。
「おやおや、どこへ行くの」
鎖から逃れた“だるま”は止まらない。
どこまでも転がってそしていなくなった。
「あーあ、ばいばーい」
鬼は笑った。
囚われた“だるま”は逃げられない。
“だるま”は堕ちる。
果てのない地獄へ……――
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