短編

□邪魔なのは、「君さ」「テメェだ」
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「…………」

「そんな顔すんなよ、ブサイク」

「誰のせいかな〜?」


くそ、折角の休日、テレビでも見てゴロゴロしようと思ってたのに、起きたら覚醒がリビングでコーヒー飲んでた。

……今日は返り血ついてない。まぁそれは良かった。

けど

「なんでうち来たの」

「……お前がひとりぼっちで暇してると思って来てやったんだよ。感謝しろ」

「いや意味わかんない」


まるで我が家のように、私が大事にとっておいた高級クッキーを取り出して食べ始めた。

……ていうか、もうそろそろアイツが来そうな予感。


「あ、このDVD観たい」

「…お好きにドーゾ」



ーーーーーーードンドンドンッ

たった3回のノックで、ドアに穴が空いた。
もはやノックじゃない。

………この怪力……まさか……


「なまえくーん!遊びに来たよー!」

入っていい、とも言ってないのにドアを開けたディド。

うわドア取れたじゃん……。
この前直してくれたばっかなのに、ごめんねハンディ…。


「何勝手に入ってきてんだテメェ出ていけ」

ソファに座ったまま顔だけディドに向けて威嚇する覚醒。

「おやおや、何故君がここにいるのかな?」

「テメェにゃ関係ないだろ出てけ殺すぞ」

「ここでバトるのは止めてね!?」


何回我が家を壊すつもりだこいつらは!毎度毎度!!


「ああなまえ、今日も最高に可愛いね」

「ひえっ」

腰にするりと手を回し、顔を近付けてきたディド。
手つきがいやらしい!


「ッ、オイクソヒーローなまえを離しやがれ!」

遂にキレた覚醒がこちらに向かってナイフを投げてきた。

「ぎゃあああああ!!!!」

おい覚醒!ディドを刺すのはいいが私を忘れていないか!?


「っと、なまえに当たったらどうするんだい」

目にも見えない速さでこちらに一直線に向かってきたナイフをパシッと軽く受け止めたディド。

あ、ナイフ粉々になっちゃった。


「いくら羨ましいからって俺となまえの甘い時間を邪魔するのは辞めてくれないかい?覚醒くん。迷惑だよ。ね、なまえ?」

「いや、そりゃ迷惑だけど、だからといってディドに居座られてもめいわ「ほら、なまえも迷惑だって言ってるぞ!」話を聞け!」


「ほーう?なまえ、俺とクソヒーロー、どっちがいいんだよ?」


いや覚醒様笑顔なのにめちゃくちゃ恐いんですけど。
俺がイイだろ?と言わんばかりの顔。


「あ…あの………はは……」

何も言えずに、引きつった笑みだけしか返せなかった。


「なまえが決められねぇなら、俺らで決めるしかねーなァ」

「君がその気ならやってやるよ。なまえは俺が守るんだ!」

「ハッ、クソエセヒーローが。邪魔なんだよ!」


あー、天井も壁も私の平穏な休日も吹っ飛んだ。




「あ、ランピーだ。どこ行くの?」
「ラッセルと釣りだよー」
「私も行くー」

さよなら我が家。
見捨ててごめんね。

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