dream
□プロローグ
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私の名前は山浦愛菜。
ただの凡人。
中学卒業と、共に引越しが決まっていた私は、卒業までの短い間、徐々につぼみがなってきた桜の木を眺めるのが日課になっていた。
このつぼみが咲く前に、私は遠くに行ってしまうのかな、と、思いながら見ていたと思う。
中学三年間、部活はバレー部で、大会にもレギュラーで出場した。友達も、多くはないけれどそれなりにいて、親友と呼べる友人もいた。それに、修学旅行はすごくいい思い出がつくれた。だからこそ、ここを離れるのが嫌で嫌で仕方がなかった。
それでも、引越しはしなくてはいけないので、諦めていた。
そんな私を、元気づけるように桜が満開になった日が、卒業式当日。