〜Evas!0n〜

□回避01
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オレは先日…妹と電話でこんな会話をした。え?女のくせになんで一人称がオレ?あー、癖でたまにオレって言っちゃうんだ。何?それは変だって?じゃぁアタシに変えとくか。
あ、でも昨日の会話ではオレって言ってるからそこは多目に見てくれ〜!


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〈姉ちゃんさぁ〜。そろそろ真面目に結婚考えん?もう27になるんやろ?〉

五月蝿く鳴る携帯をとれば開口一番に言われた言葉がこれだ。
お姉ちゃん久しぶり元気?くらい言ってくれたっていいじゃないか(涙)

《妹よ…人が気にしてることを言う為わざわざ電話してきたん?》

〈そんな、まさか〜!姉ちゃんに電話するなんて忍たまの話したいだけに決まってるやん!あんな!うち最近姉ちゃんの言う落乱夢小説にハマってるんよ!〉

《お!やっとお前も夢小説の良さに目覚めたんやなぁ。》

アタシと妹の共通点、それは二人してたまにエセ関西弁を使うこと。そして大の忍たまファン。
…と言っても、アタシが勧めてみたら妹もハマったってだけなんだけど。

〈最近はな、天女物が特に好きやねん!ハラハラドキドキ感があって世界に引き込まれる!〉

《分かる分かる。あんな素晴らしい話をかける人ってほんとすげぇよな。》

話を盛り上げていくと、ふとアタシは真面目になってこんなことを思った。

《けどさ…。》

妹が「うん?」と疑問の声を漏らす。

《これは作り話の世界でただの物語だからいいんだよな。実際にあったら怖いだけだし、喜べないで…。》

とか、ふと言ってみたがそんなことを考え出す自分がアホに思えてきて最終的には笑い声をあげる。
こんな話して次の日、落ちたらどうしような(笑)と結局ふざけた冗談も言った。


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なぁ、妹よ。
今思えば、ありゃぁフラグ立ちまくりだな…。
でもフラグが立ってるからって…現実で起こるはずがないことが起きるなんて、あるはずないだろ?うん、絶対あるはずないんだよ。

アタシはそんな呑気なことを考えてはみたがやはりこの現状から目を背けるなんてことはできないようだった。

『うぎゃぁぁぁああ!!?』

ちょっ…ww
やべぇ、本当に落ちたwwww


妹よ…姉ちゃんは今、広い空から地上へと飛行機のように急降下してるんだ。こんなこと信じられないだろ?アタシだって信じたくねぇよ!墜落する飛行機の気持ちを体験するなんて人生の中で一番経験したくなかったよ!

『うぐ…風圧が…強すぎ…るっ…!』

ひ、飛行石よ!仕事しろ…っ!て…んなもん持ってねぇやw
だいたいアレ、ラピュ○の血縁者にしか発動しねぇ!w

おいおい、夢小説で落ちる人ってのはもっと緩やかに落ちてると思ってたのにこんな勢いあるなんて初知りだぞ。くそっ!あんまりじゃないかよぉ!

いや、待て待て…冷静になるんだみょうじなまえ!
深呼吸……は、この風抵抗じゃできないから目を閉じ瞑想。
はぁ…こたつで寝てたはずが、いきなりこんな大胆に空を舞っていたら最初は「なんだ夢か…」と結構冷静な自分がいた。
しかし、この重力に逆らわない自分の体に容赦なくふりかかる風圧に夢ではないとすぐに気づかされる。
最悪すぎる…だって、アタシは地元の小さいジェットコースターすらまともに乗れない質なんだから…。
こんなのが夢だったらすぐ覚めるし…。
若干気持ちが悪いが…うん、持ち前のボケのお陰か少し冷静になってきたぞ。(んなアホな。)

………てか、なんでこんな勢いよく落ちてるのに地上にたどり着かねぇの?!!現実と異世界の経路ってのはこんなに長旅なのか?!

おかげでゆっくり考えごとができるな!コンチクショー!!


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〈確かにね、天女トリップとか特にそうだよね。もしさぁ、トリップしたとするじゃん?そしたら、やっぱ空からflyawayなんかな?w〉

《まぁ、大抵そうだよな。そして大方、小平太辺りがキャッチ。》

〈落ちてくる人間をキャッチとか実際骨粉々になるよね…マジ暴君パネェwwwwあ…でも、もし天女が既に何人か落ちてて学園好き放題したせいで忍たまにフルボッコされてる経緯があったらどうなるんだろ?小平太も空から降ってくる人間=天女だと思ってるよね?〉

《あー…だとしたらそこでそのままキャッチしないとかもあり得そうだな。》


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あ"あ"あああああああああ!!!!これは、まずいぞ!!?ガチでヤバい!死ぬよ…絶対死ぬわーw

混乱しながら目をうっすら開ければ…なんと、もう落ちる直前。しかも、森の中だ。暴君フラグ直前じゃないか!?

あ〜〜〜〜妹とまだコミケにも行ってねぇのにぃ〜〜。

こんな時まで考えるのがそれか…。

徐々に詰め寄ってくる地上…しかし、見えてきたのは暴君ではなく…

『か、川ーーーッ!?』

どちらにしても死ぬやん!
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