short stories
□可愛さ
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あの後、一時間後にスタッフに呼ばれてスタジオに入った。
仕事中は相変わらずの猫かぶりだったが、楽屋に戻ると、態度も戻る……のがいつものパターン。
だが今日は何も言わず、黙って椅子に座って何か考え事をしているようだ。
「──ね!!ミューちゃん?」
「!!……何だ」
随分考え耽っていたのか、嶺二がカミュを呼ぶ声でやっと我に帰った。
「……さっきから何考え事してんだ」
「貴様には……関係ない。」
何だよ今の間は。
「アイアイって可愛いよね〜」
そう言いながら嶺二は藍の頭をぐりぐり撫でている。
藍は迷惑そうな表情を浮かべながらも、満更でもない様子。
「……………。」
「……………。」
「……おい、何か喋れよ。」
「………黒崎、」
何だ、と返す前に、唇が塞がれた。
瞬きをして目の前を見ると顔を赤らめたカミュがいる。
「な、…何すんだよ急に…!!!」
「ミューちゃん……やるね…」
やるねじゃねぇよ。
「……気分だ…///」
気分…とかの前に自分でやって赤くなるって……。
………あれ、
「──…たまには……俺がしてやらん事も……─…っ!?///」
こいつ……。
俺は、無意識にカミュを抱き寄せていた。
「お前さ…」
「な、何だ…!!!」
─ホントにちょっと可愛いじゃねぇか、カミュ。
「……!!!!!……だっ…黙れ愚民が…!!!/////」
「…何だよ」
「…み、耳元でそのような事を言うな…!!//」
まぁ…俺より小さくないにしても可愛いってこういうことか。
→反☆省(という名の後書き)