short stories

□Eternity engagement
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案の定、予定より一時間も早く着いた。
予定の時間にならないと面会は出来ない為、病室の近くのデイルームで待った。

「…………不知火」

不意に、懐かしい声に呼ばれた。

「緑間くん…!!」

久しぶりに会った緑間くんは白衣に身を包んでいた。
入院したての頃は、体調も良くなかったらしくて、面会も出来なかったから、緑間くんに会うこともなかった。

「……何か…久しぶりだね」
「そうだな。……こんな早くに来てどうした?」
「着いちゃったんだ。…緑間くん。今から何かある?」
「特に無いが。」
「此処で話さない?」

緑間くんは、構わないのだよと言って、隣に座った。
学生時代は私が真ん中で和成が右隣、緑間くんが左隣にいることはよくあったけど、緑間くんだけが左隣に座っているのはなかった。

「……緑間くん。」
「何だ。」
「……………正直、和成はどうなの?」
「……………………。」

緑間くんは、押し黙った。
何となく、分かってた。
容態が良い、と聞いた時も緑間くんは一拍置いた後に言っていた。
それの真偽などその一拍が教えてくれた。

「……………分かってるよ。」
「不知火……?」
「………感染症にかかった、って」
「……何…!?」
「……分かってる…と言うか、聞いたんだ。他の看護師さんに。
「……………。」

緑間くんは、そういった事は全く教えてくれなかった。
きっと私のためなのだろうけど、私は知りたかった。
だから、電話で問い詰めた。緑間くんが口止めしているであろう事は何となく分かっていたから。

「……肺炎だって」
「そうなのだよ。」
「本当はさ、面会なんて出来ないんでしょ?」
「……本当ならな。……だが、今日は…あいつの………高尾の誕生日だろう?」

それに、今日のおは朝占いで、さそり座は1位だったからな。
と、言い足した。

「wまだ見てたんだ?」
「……笑うな。」

相変わらずの信者のようで、と言ったら小突かれた。
……でも、まさか誕生日に1位とは…

「強運だな…」
「不知火は確か、誕生日に最下位だったな」
「言わないでよ!」

他愛ない話をして、また沈黙がおりる。

「……それに、」
「……緑間くん?」
「高尾が、お前に会いたがっていたからな。毎日煩くて仕方がない。」

呆れたように緑間くんは言ったけど、それは何故か憂いを帯びた顔で発した言葉だった。
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