short stories

□妖精との1日
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いつも部活が終わると、必ずと言っていいほど、突進をしてくる。
キャプテンに止められることもあるが、

「モミアゴリラが言うな」

と、何故か皆が止める。
そしてモミ…………………キャプテンが泣くのがいつもの、部活後の光景。

「六花ちん、まいう棒〜〜」
「はいはい。」
「さんきゅ〜」

まいう棒を受けとるやいなや一気に3本を口にぶち込む。
さすがというか何と言うか……

着替えが終わり、みんな一斉に学校を出る。
今日は、もうそれぞれ家に帰るらしい。

「六花ちん、家泊まっていい〜?」
「はい!?!?」

……確かに、明日は部活も学校も休みだ。
それに、私はマンションで一人暮らし。
泊まることは何ら問題ではないけど…。

「やった〜。久々に六花ちんの家お泊まり〜」

………………良いって言ってない。
だがしかし、周りに花が見えるようなぱあっとした笑顔で言われると断れまい。

「着替えは?」
「…………………。」
「取りに帰ろうね。」
「うん」

一旦、あっくんの家に寄って、それから私の家(というか、マンションの一室)に向かった。
もちろん、途中でお菓子もたくさん買って。


マンションに着いて部屋に入るなり、あっくんは私にキスをした。

「……ねぇ、お菓子パーティーは?」
「後〜」
「じゃあ先にお風呂入ろうよ」
「一緒になら入る〜」

…………………。

「じゃあお菓子パーティーしよう。」
「一緒に入るの嫌〜?」

そんな可愛く言わないで謎の罪悪感が……!!

「……嫌じゃない」
「じゃあ入ろ〜」

そう言って、あっくんは私を風呂場まで運んで言った。

まぁ……風呂場で何があったかは言わずもがな……。
癒される筈のお風呂が……とほほ。

それから、テレビをつけて、テーブルにお菓子を広げて、ただ貪っていた。

「そういえばさ」
「何、あっくん」
「夜食べたら太るとか言ってなかった?」
「………………お黙り。」

いいんです。
今日は食べるの。
今日はこの妖精……じゃなくてあっくんと一緒なんだから!!!!!

10時半ごろ、ようやく寝床についた。
抱き枕〜、とか言いながら抱き着いてきたあっくん。
暑苦しいから離れろとも言えず、そのままこの日は眠りに……

…………やっぱり暑苦しい。
少し上を見ると、あっくんはもう寝てしまっていたようだった。

「(ちくしょう、可愛いな……)」

しばらくその寝顔を見つめてから、私は今度こそ眠りについた。



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