short stories
□教えて
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……………わからない。
何故、こんなにも心が痛むのか。
そうなったのはついさっき。
ワタシは仕事を終えて、部屋に戻ろうとした。
そこまでは良かった。
寮に入ってしばらく廊下を歩いていると、カミュとレンが二人で話をしている所に遭遇してしまった。
それも、すごく仲良さげな雰囲気。
「あ、セッシー。」
レンがワタシに気付いて、そう言った。
でも、良い気分ではない。
何より、カミュとレンが二人きりで話していたという現実を目の当たりにした後なのだ。
「……………セッシー?」
「!…………すいません。部屋に戻ります」
逃げるようにして、その場から去った。
……今まで感じたことのない気持ち。
部屋に戻って、ワタシは布団に埋もれた。
さっき感じた気持ちが、何なのか。
ひたすら考えた。
………そう言えば、前にもこんな風に心が痛んだ事があった。
カミュとレイジ先輩が二人でいたのをたまたま見かけた。
カミュは嫌そうな顔をしていたけれど、無理矢理退けようとはしていなかった。
そして、カミュとマサトとショウが何やらラジオの話をしていた時。
その時のカミュと言えば、いつもワタシに向けるような顔をあまりしていなかった。
………ん?
────全部、カミュが関係してる。
「…………わからない。」
こんな気持ちになったのは初めてだったから。