short stories
□特別の存在
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※短いです。
「逆境に耐える、か……」
急に聖川が呟いた。
「急に何を言い出すかと思えば、なんなのソレ」
「神宮寺の誕生花の花言葉だ。」
聖川は、パソコンを見ながら言った。
オレも後ろからパソコンを覗きこむ。
「自分では見たことが無かったねぇ。」
「ファンが調べたようだな。」
スクロールしていくと、ST☆RISHだけでなく、QUARTET NIGHT、先生の誕生花まで載っていた。
こうして見ると、なかなか面白い。
「見て。ランちゃんは"名声"だって。」
「黒崎さんらしいな。」
1月から順に、それぞれの誕生花が載っていた。
12月までスクロールした時、聖川の手がとまった。
「………聖川……?」
「……、俺は神宮寺の事など何とも、おっ、思っていないからな!!!///」
「は?ちょっと待っ…………」
聖川は何故か赤面して部屋を出ていった。
というか……付き合ってて何とも思われてないとかオレでもへこむんだけど。
……仕方ないか。聖川は照れ屋だから。
追うのはやめて、さっきまで聖川が座っていた椅子に座って、そのページをみた。
「へぇ………。」
聖川の誕生日、12月29日の誕生花。
「特別の存在、ね。」
聖川にとっての特別の存在。
「オレかな………なんて。」
オレにとっての特別の存在は聖川だけど。
そうやって言ったら、さっきみたいに赤面して逃げるんだろうね。
→後書き!!