short stories

□見つめて。
1ページ/4ページ



2年生の新学期。
私は二つのドキドキを胸に壁に貼られた新クラスの紙を、生徒を押し退けて見ていた。

二つの……と言うと、もちろん1つは自分が何組か、誰と一緒かと言うこと。
もう1つは……

『(………あ、)』

私の好きなひと……
氷室くんと同じクラスか違うか……なんだけど、どうやら氷室くんは隣のクラスのようで、新学期早々テンションは急降下。
重い足取りでクラスへ向かった。


………だけど、悪いことだけではない。
私の友達である沙祐と同じクラスだったからだ。
既に学校に来ていた友達とひとしきり喜びをわかち合った後、席についた。

新クラスで体育館に向かい、今年度初の始業式。
………もちろん、私は寝───

『(あ……氷室くん。)』

───ようとしたけど、ふと隣のクラスをみたとき、隣の子と親しげに話す氷室くんが目に入った。

『(やっぱり、好きだ。)』

他の女の子と話しているのを見ただけできゅっと胸が締まる。
いらない事も考えてしまう。
まずは自分から、なんてよく言うけど、それができたら苦労はしない。

始業式が終わって、クラスへ戻り、新担任の話が終わって今日は放課となった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ