short stories

□デレいただきました。
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ある日の放課後。
真太郎が委員会の仕事でいないのをいいことに、高尾が私にこんなことを訊いた。

「真ちゃんに、なんて告白されたの?」

…………本人がいたら、確実に止められる。
……が、今はなんといない。
私が恥ずかしい話ではないと思い、話はじめた。

「……えっとね……」


───回想────

それは、中学2年の冬の日で、私は部活が終わってからも真太郎の自主練に付き添うのが習慣になっていた。

一定の間を置いてシュートを放っていた真太郎が動きを止めた。

「真太郎……?」
「…………〜〜///」

当時の私は、まさか告白なんてされると思っていなかった。
だから、顔を真っ赤にしたまま何も言わない真太郎をただ見ていた。

「………六花……!!!」
「何……?」





「──────……だ。」
「………え?」

あまりにも小さな声で、私は聞き取ることが出来ずに聞き直した。

「だから……!!///」
「………──!?!?」

その時、私は何が起きたのかわからなかった。
けど、さっきまで正面で見上げていた真太郎の顔が私の横にあった。
息がかかるほど近い距離に、私の心臓はいつもより高鳴っていた。

「………す……好き、なのだよ……!!!/////」
「え!?!?////」

実をいうと、私は1年生の頃から、同じクラスだった真太郎の事が好きだった。
だから真太郎にこうして抱き締められて、その上告白されたことも夢かと思うほど嬉しかった。

「……い、1年の頃から好きだったが……お前は黄瀬と仲が良かっただろう」
「あー、あれはあっちが勝手に……」

と悪態をつきながらも、内心は泣き叫びたいほど舞い上がっていた。

「そう、だったのか……では……青峰は」
「………おっぱい。」
「………………………………。」

その現場を何回か真太郎に見られていて、その時の蔑むような目はグサグサと私を貫いていた。

「………真太郎。」
「!……何なのだよ……」

私は思いきって、真太郎の頬にキスをした。
すると、真太郎は耳まで真っ赤にして、私の肩に顔を埋めた。

「真太郎って可愛いところあるんだ。」
「う、うう……うるさい……!!////」

─────回想終わり──
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