Title
□思わせぶりはきみの特技だ
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『――なんじゃ、しつこい男は嫌われるんよ?』
「――!!!ーーーー!!ーーーーーーー!」
男の声は生憎聞こえないが、仁王が昔の男に絡まれている、部活仲間のよしみで助けるべきか否か。
『終わりて言ったじゃろ――お前さんとの関係は終わった、それだけじゃろ。
はぁ、何言うん?お前みたいなキープ男に言われても嬉しくなかね。』
彼女は雅雪、女子テニス部の五大戦力の一人であり…仁王の従妹だ。
雅雪についてはほぼ、正確なデータは取れない
『あっ!柳っ!!』
気付いた時には雅雪の彼氏役にされていた、
しかし…満更でも無いと思ってしまっている自分に
俺は其れが酷く、滑稽に思えた……
「彼女が出来てから楽しそうだね、蓮二。
雅雪だろ?良いじゃないか」
『精市、精市には成り行き上、そうなったと話しただろう……』
其れは只の切っ掛けに過ぎない、
俺は雅雪にいつからか惹かれていた。
利用されていると知っていても尚、関係を壊したくはない。
本気で好意を向けてくれなくとも……構わない。