小説

□退治屋の友
1ページ/16ページ

妖怪とは―。
戦、事故、災害、愛憎の縺れ、百年以上生きた動植物や物が意思を持つ等理由は多岐に渡るが何れも強い思念、怨念が形を為したもの。
または神の戯れとも言われている。

幽霊のように見えたり見えなかったり等は無く、人間にも姿が見え触れる事が出来る。
但し、普通の人間が妖怪に触れると妖怪の毒気にやられ肌が爛れる、吐き続ける等、何らかの不幸が起こり最悪の場合は命を落とす者、妖怪化しさ迷う者も在る。此を妖呪(ヨウシ)と呼び人々に恐れられた。

妖怪に遭った大半の人間がこの妖呪に苦しんでおり、其の治療方は退治屋の呪い(まじない)のみ。
故に各地に居る退治屋達は妖呪にかかる人々の治療や妖呪を拡げぬ様、近隣の村人達に退魔の護符、御守りを定期的に配る事を御上から命じられていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ