小説

□妖捕獲
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此で良し。

後は奴が来るのを待とう。

まだ日の高い頃、昨夜天狗が出ると邸で話を聞いた田嶌ノ守(タシマノカミ)は早速それをこの眼で見ようと出ると聞く森へ一人赴き丁度今、捕獲する仕掛けを済ませた所だった。

きっと夜になるだろう。それまでまだ少し時がある。一度邸に戻りまた来るとしよう。

田嶌ノ守は来た道無き獣道を辿ると繋いであった馬に跨がり手綱を手に一先ず邸へと馬を走らせた。
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