short/song

□世界が変わった日
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大量の書類を抱えてエルヴィンの部屋へ入る。にこやかな表情で迎えるエルヴィンに、なんだか自己嫌悪だ。

書類を渡し、ソファーにどっかりと腰掛ける。


「エルヴィン。俺でいいのか」

「何がだ?」

「…ナマエの隣にいるのが、俺でいいのか」

「なんだ突然。らしくないな」


確かに今、おれはおかしいのかも知れねぇ。だけどその問いは常に心の中を蝕んでいる。

…お前の方が相応しいんじゃないかと。


「ナマエはいつも幸せそうにリヴァイと過ごしている。私はそれでいいと思っているよ」


いつ死んでしまうかもわからない。だけど確かに俺とナマエは笑っている。
それを幸せと呼ぶのだろうか。


「ナマエといると、未来に迷う」

「本当に君らしくない、どうしたんだリヴァイ」

「…そうだな。俺らしくない」


同じ事をナマエに尋ねても、彼女は笑ってくれるだろうか。「リヴァイらしくないね」と、あの笑顔で。


「君が生きる為には、ナマエが必要なんだよ、リヴァイ」

この腐った醜い世界を、俺はナマエがいるから生きていると言うのか。

明日がナマエにとって素晴らしいものであってほしいと願いながら生きているのは事実だ。そこに自分が存在しなければいけない事も知っている。






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「ねぇリヴァイ、」

「なんだナマエ」


ナマエはにこにこ笑いながら、俺の隣に腰掛け、その小さな頭を俺の肩に預けた。


「ナマエ…」

「なんでわたし、こんなにリヴァイが好きなのかな」

「俺は不器用だからな。返答できん」

「うん、知ってる。でもねリヴァイ。リヴァイはそれでいいの。わたしはそんなリヴァイが好きなんだから」

「…なんとでも言え」

「どうせ止まらない時間の中にいるのなら、わたしは、リヴァイと生きていきたい」

「いつか別れは来るぞ」

「わかってる」

「俺はお前を幸せにできる自信はない」

「…私はリヴァイと一緒にいて幸せになれる自信があるよ」


どうしてこいつは、こんなキラキラした目で真っ直ぐ俺を見るんだ。


「ありがとう、リヴァイ」

「あ?」

「リヴァイと出会えたわたしは、きっと世界一幸せだよ。リヴァイと出会えて世界が変わったんだもん…バカかな」

「ああ…クソがつくほどの大バカだ」


そう言ってキスすれば、ナマエの頬は桃色に染まる。


「好きだ…ナマエ」

「うん」


どうしたっていつか別れは訪れる。だから俺達は生きている今を大切にしながら求め合う。決して離れない。
例えばどちらか一方が残されるような日が来ても、後悔のないように。



そうやって今日も、愛を確かめる。








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HANABI/Mr.Children

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