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■パパと兵長とわたし


「『アンタさぁ、他人に死ねって言われたら死ぬの?』的な事をアニが言ってたんですけどね、兵長!」

「今のは物真似か。クソも似てねぇな、恥ずかしくねぇのか」

「オルオさんに物真似される程の中二病発言な兵長には言われたくないですー」

「んだとクソガキが」

「で、わたしなりに考えたんですけど、わたしは兵長に死ねって言われたら死ねるかもしれません」

「そんな話よりさっさとオルオの話をしろ」

「例えば正面から巨人がやって来るとします。で、兵長が『進めぇぇえー!』て57回壁外調査時のパパ顔かっこアニメバージョンで言ったとします」

「今のもちっとも似てねぇな。いやだからオルオがなんて言ってんだ」

「そしたらわたし、きっと進むと思うんです。命を賭けて」

「答えろ、俺はイタい発言が多いってのか」

「んもー、そんなところが中二なんですよ兵長!自分の世界に浸りすぎです。浸りすぎて周りが見えてなさすぎです」

「…俺はお前にそれを言われてんのか」

「なので兵長、あなたはわたしが守りますからね!」

「相変わらずネジがブッ飛んでんなお前は」

「ただ…」

「なんだ」

「そうなるとですね、そんなわたしを守ろうとパパが正気の沙汰ではいられなくなると思うんです」

「お前慕ってる相手になんて言い草だ…」

「結果パパが負傷するので、それだと困るんです」

「ああ困るな。だから俺の為に死ねるとか訳のわからん事を言わずに落ち着け。色んな意味で」

「それと、実はオルオさんの兵長の物真似について聞きたい事があるんですが、」

「むしろ俺が聞きてぇな」

「兵長もよく舌を噛むんですか?」

「………は?」

「オルオさんが舌を噛んだ後、いつもペトラ姉さんが『兵長の真似してるつもり?やめてくれない?』って言うんですよ!」

「今のペトラはちょっと似てたが、お前の視点はどーなってんだ」

「へへへ。ペトラ姉さんの真似は練習量が違いますからね」

「ペトラが言ってんのは俺の発言だ。舌を噛む事じゃねぇ」

「ほほう、中二病的発言の方ですか」

「…お前、最初からわかってて俺をからかってるんじゃねぇだろうな」

「からかってませんよー兵長に伝えてるんです!言葉による…」

「待て。それ以上言うな。わかったから」

「なんか慌てる兵長もいいですね!」

「…削がれてぇのか」

「痛みによる躾ですか!」

「言うなっつってんだろうが!!」

「慌てる兵長…ほぅ、悪くない」

「…っ、クソガキが!!」


 

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