long/温かな光
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どのくらい眠っていたのだろう。
瞳を開くと、医務室の天井が目に入った。
ぼんやりと思考を巡らせて過去を遡るけれど、わたしに何が起こったのか思い出せない。
体を起こそうにも、身体中に痛みが響いてなかなか動けない。
右足が特に痛い。言葉にならないほどの焼け付くような痛み。
その足をさすろうと布団の中で手を伸ばした時、わたしは自分に起こった全ての事を思い出した。
思い出して、震えながら右足に触れる。
「………!」
ああ、やっぱりあれは夢ではなかったのだ。
太ももの途中に包帯がぎゅうぎゅうに巻かれていて、手をうんと伸ばしたそこから下、わたしの右足は無かったのだ。
「アニ…」
女型の巨人に足を喰われてしまった。
あぁそうだ。女型の巨人はどうなったのだろう。生け捕る事は出来たのだろうか。それともまだみんな闘っているのだろうか。
キィ、と扉の開く音がして、誰かがわたしの横たわるベッド隣に座った。
そして目を覚ましているわたしに気づいた。
「ナマエ…!」
一番愛しくて大好きなその声を、わたしは今一番聞きたくないと思った。
「…あのクソ医者、ぶっ殺してやる」
「……」
「ナマエが目を覚まさない確率を口にしやがった」
リヴァイがわたしの髪を撫でている。力のこもるその手に、わたしは彼をどれだけ心配させていたのか反省した。
「……め、なさ…」
うまく声が出ない。
「良かった。ナマエ…」