long/温かな光
□3-7
1ページ/3ページ
「わたしも行きます」
エレンを憲兵団に引き渡さない為に――その計画を知らないまま、わたしはエルヴィン団長に直談判している。
別室にはエレンとリヴァイが待機していて、わたし達を待っている。
「それは出来ない相談だな、ナマエ」
「嫌です。壁外調査は我慢したんですから、今回こそは」
「危険を伴う任務だ」
「わたしは兵士です」
噛み合わない想いが交錯する。
そこへ、ノックの音。
「エルヴィン、入るよ」
声の主はハンジだった。ハンジは団長室にわたしがいるのを予測していたのだろうか、わたしににこりと微笑んだ。
「エルヴィン、ナマエにも計画を説明するべきじゃないかな」
「ハンジ…君ってやつは」
「それでナマエの判断を仰げばいい」
「この計画にナマエを巻き込むつもりはない」
「だけどそれじゃナマエは納得しないよ。ナマエの性格、エルヴィンだってよく知ってるだろう?」
団長は目を閉じて フ、と小さくため息をついた。
「…ナマエ、これは機密事項だ。ついておいで」
--------------------
扉を開けるとエレンとリヴァイがいて、「どういう事だクソメガネ」とリヴァイが眉間にシワを寄せた。
「わたしが団長に無理言ったの」
「…チッ」
「では、計画の説明を始めよう」
その内容に、わたしはまばたきを忘れてしまった。エレンを見やれば、彼も同じ様子だった。
「女型の…巨人が、」
「……アニ?」
なるほど、辻褄は合う。だけど、
「お前まで私情を挟むなよ、ナマエ」
リヴァイの瞳が切な気に揺れて、わたしは、わたし以上につらいであろうエレンの想いに唇を噛んだ。