long/温かな光

□3-6
1ページ/4ページ

巨人を殺して罰せられる…
本来ならば不可解な話。だけど、被験体を殺すと言う事は、わたし達の敵であるという事。

結局犯人はわからず仕舞いだったけれど、わたし達は一時兵舎に戻る事になった。
壁外調査が始まるのだ。


「ねぇ、リヴァイ」

「なんだ。お前は留守番だぞ、ナマエ」

「う…」


リヴァイにはわたしの言いたい事がわかっているらしい。


「じゃ、邪魔しないから…」

「なに言ってやがる。お前がどう足掻こうと邪魔だ」

「だって、今回は大切な遠征なんでしょ?人手も足りないみたいだし、だったらわたしも」

「しつこいぞ」


ギロリと睨まれればもう身体はビクリと固まって、それ以上は何も言えなくなってしまう。
とりあえずこの場は一旦引き下がって…


「エルヴィンやハンジにごねても無駄だからな」

「う……」


本当にわたしの彼は、わたしの事をよく知っているようだ。


「…ねぇリヴァイ」

「なんだ」

「大好き」


心に突然浮かんだ言葉を口にすると、リヴァイは一瞬言葉を止めて、


「…あぁ、知っている」


そう答えてくれた。


今期の新兵までも引き連れて彼らは壁外に行く。
その意味が全くわからない程わたしは愚かでないつもりだ。

彼を後ろから抱き締めて、背中に顔を埋めた。


「無茶しないで」

「わかってる。それに、」


顔を離して振り向かない彼を見つめる。


「エレンを憲兵に引き渡したりしない」

「リヴァイ……」

「お前が悲しむ事はしない」


再び彼の背中に顔を埋めて、ぎゅうっと抱き締めた。
愛しくて、切なくて、寂しい。


「ナマエ」

「…なに?」

「抱いていいか」

「え」


そんな事、聞かれなくたって答えは決まってる。


「わたしは、リヴァイのものだから」


――あなたの想うように、生きるから。


そっとベッドに誘われて、ストンと腰を落とす。
重ねられた唇は柔らかくて温かくて、後頭部に添えられた手は力強い。

何度も何度も繰り返される口付けに、心がきゅんと締め付けられる。


「リ、ヴァ…」

「黙れ」

「…んっ」


絡まる舌に意識が朦朧として、リヴァイの袖をきゅっと握った。


「っ、はぁ…」

「今からそんな声出すな」

「だっ、て」

「好きだ、ナマエ」

「うん。…知ってる」


行かないで、なんて言えないから。
だからわたし、一生懸命にあなたを愛して、愛して愛して、


「行ってらっしゃい」


微笑んで見せる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ