long/温かな光
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さて。と私は隣で書類を作成しているナマエを横目で見た。
私は今からリヴァイ達が先に向かった旧本部へ行くのだ。
そこで…まぁモブリットが一緒に行くのだけれど、もう一人助手がいるかなぁーなんて考えたりしているのだ。
「ねぇナマエ」
「ん?」
「ナマエも一緒に行く?」
「え?」
「旧本部」
ナマエの大きな目がこぼれ落ちちゃうんじゃないかってほど見開いた。
「で、でも」
「あぁ、リヴァイの事なら大丈夫」
「だけど。やっぱり勝手な真似は…」
そう言いながらも、ナマエを見ていればわかる。一緒に行きたいのだ。
「ほら、早く準備をしておいで」
「う、うん…!」
戸惑いながらも表情は緩んでいる。まさかナマエまで旧本部に来るとは知らないリヴァイがナマエを見たらどんな顔をするだろう。これは楽しみだ。笑いをこらえる準備をしておかないと。
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旧本部で一同が会している部屋の扉を開けると、リヴァイが私の後ろに立っているナマエの姿を見てガタンと席を立った。
そんなリヴァイの様子は私の期待通りで、ついでに言えばそんなリヴァイの姿への班員の反応も面白くてたまらない。
「ナマエ、お前…」
「まぁまぁリヴァイ、研究に人手が不足してるんだ」
「相変わらずのクソメガネっぷりだな」
少し頬を染めたリヴァイは、ナマエに会えて嬉しい筈だ。だけど同時に、怒りの感情も持ち合わせているのだろう。
私の後ろで少し怯えているようだったナマエを、ペトラが自分の隣に誘導し座らせる。
「しばらく、よろしくね」
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リヴァイに手を引かれて、わたし達は2人で城の裏側に来た。リヴァイは怒っている。間違いなく。
「ナマエ、いくらハンジに唆されたとは言え、なんでノコノコ着いて来た」
「…ごめんなさい」
「エレンの件には関わるな。私情を挟むと命取りになる」
「私情を挟んだりしないよ」
リヴァイはグッとわたしの両肩を掴み、
「今すぐ帰れ」
と言った。
「リヴァイ。わたしは兵士としてここに来た」
「だったら兵士長命令だ。帰れ」
「それこそ私情を挟んでるよ」
「なに…!」
あ、彼を怒らせてしまった。もちろんわたしは彼を癒す為に来た訳じゃないのだけど、少しでも力になれたらと考えていたのは事実だったから。
「帰れ、ナマエ」
「やだ」
「命令だ」
「嫌だ!なんでそんな風に言うの?」
「ナマエ、俺は」
「リヴァイはわたしの事、理解しようとしてくれてない…!」
悔しさが込み上げる。
リヴァイがわたしを大切に思ってくれている事はわかってる。だけどわたしの意志は全然わかってくれていない。