long/温かな光

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「あっれー?」


とハンジがペンで頭をボリボリ掻きながら棚を探っている。


「どうしたの、ハンジ」

「んー資料が見当たらないんだけど…ナマエ知ってる?この間のさ、奇行種についての報告書から抜粋したやつで…」

「ああ、これかな」


と、ハンジに資料を手渡す。


「え、なんでナマエが持ってたの?」

「いや、普通に調べてただけで」

「なんで、こんな専門資料を、ナマエが…?」

「恥ずかしいから言いたくなかったんだけど、単に字がわからなかっただけで」

「巨人の生態に興味が沸いてきたと見た!」

「沸いてません」





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ハンジと二人で昼食をとっていると、オルオが「隣、いいですか」と現れた。なんだかお疲れの様子だ。


「あれ、ペトラは?」


とハンジが尋ねると、


「あんなうるさい女房気取り、疲れるんすよ」


とため息をついた。
可愛いペトラに対してなにお前が勿体ない事言ってんだ…と言うか、女房気取り?どこが?むしろペトラは嫌がっているように見えてたけど。


「見つけたオルオ!」


ペトラも隣に現れて、一気にそこは賑やかになった。


「なんだよ、何しに来たんだよ!」

「わたしの宝物、返してもらうわよ!どこに隠したの!まさか無くしたんじゃないでしょうね!」

「知らねぇよ!」

「オルオったら、前にもそう言って私のペン貸したまま無くしたわよ!」

「知らねぇってば!ナマエ、なんとか言ってやってくれよ!」


もう少しボリュームを下げてほしいな…と思っていたわたしは、


「ペトラ、宝物って、何無くしたの?」


と尋ねる。
サーッと血の気の引く音と、同時にかぁっと頬を染める音がペトラから聞こえて、


「兵長の写真だよ」


とオルオが言った。


「ええぇぇえぇえ!!」


とペトラとハンジが同時に絶叫した。
いや、なんでハンジまで絶叫?


「ちょっ!ちょちょちょちょっとオルオ!ナマエの前でなに言ってんのよ、バッカじゃないのっ!」

「あの、別にわたしはなんとも…」

「ナマエとペトラがライバルって事ぉ!?」

「や、やだ分隊長!違いますからっ!」


場を鎮めようと思っていたのに、一気にそこは女子会のように盛り上がってしまった。エルドやグンタが「なんだなんだ?」と駆け付ける。
なぜこのタイミングで二人が来る…!

とその時、目の前をヒュンとなにかが飛んできて、パキンと音がした。


「うるせぇな。飯も静かに食えねぇのかテメェらは」


リヴァイの一喝でピタリと騒ぎが収まって、ペトラとオルオはトレイを持ったままそそくさと食堂を後にした。


「さすがはリヴァイ!」


と興奮気味のハンジのメガネが割れていた。
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