long/温かな光
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ぶらぶらと出歩くのは、研究を進める為だ。決してこれは無駄な時間ではない。
そして廊下の角を曲がりぶつかった少年は、
「あ、す、すいません…!」
と、その隣の少女と共に敬礼をした。
「こちらこそごめんなさい。わたしはナマエ・ミョウジ。あなた逹は?」
「エレン・イェーガーです」
「ミカサ・アッカーマンです」
彼らのその初々しい敬礼が、わたしの背筋をもピンと伸ばした。
そして計画通りの作戦に心の中で歓喜の声を上げながら、二人との親睦を深めていこうと考えていたまさにその時、
「ナマエ、そんなとこで何してるの?訓練兵とお喋りだなんて」
現れたのは、巨人の研究を共に進めている分隊長ハンジ。
「いつも部屋にこもってる君らしくないなぁ」と笑いながらわたしの手を引いていくハンジは…間違いない。
リヴァイから何かの賄賂を受け取っている!
例えば「次の壁外調査では巨人の目玉を…×××(怖くて言えない)」とか「次の壁外調査では巨人の…し、尻…×××(怖くて言えない)」とか!
↑混乱している。
「ハンジ!離して!わたしには研究が!」
「え、研究?」
「そう!これは研究なの!」
そう言うと一瞬何かを考えたハンジは私へのその手を離し、
「…研究って、なんの?」
と興味を示してくれた。
「あ、あのね、あの子すごいの!立体起動装置の使い方もだけど、あの精神力とか忍耐力とか、あ、でも隣にいた女の人も…」
「脚下」
「えー!」
巨人に関するデータ以外は、今のハンジには必要ないらしい。
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「どうかしたの、エレン」
「今の人、調査兵団の服着てた…あの人も、壁の外を知ってるのかな」
「多分、あの人は壁の外には出ない」
「なんでわかんだよミカサ」
「あの筋肉では跳べない。行こう、エレン。次の訓練はこっち」
「わ、わかってるよ」