long/温かな光

□5
1ページ/3ページ

あの日、エルヴィンの隣に、ナマエがいた。


驚いた。


「リヴァイ、彼女の名前はナマエだ。何かわからない事は、私か彼女に聞いてくれ。ナマエは戦闘には加わらせていないが、巨人や武器等の知識については豊富だ。自室もあるが、主に私の部屋にいる」


エルヴィンの野郎はそう言った。

ナマエは何も知らない様子で、むしろ不安気に俺を見て…頭を下げた。

あぁ…そうか。
ナマエは俺を忘れているのか。


その後もナマエが俺を思い出す事はなく、そして俺は知った。
ナマエとエルヴィンが特別な関係にある事を。

エルヴィンに何度も問うが、奴は難くなに嘘をつき続けた。
だが俺が「あいつは忘れてるようだが、ナマエと俺は旧知の仲なのだ」と明かせば、奴はあっさりと関係を認めた。ただ、「交際しているわけではない」と言って。
そして更に奴は言ったのだ。


「ナマエが傍にいると…自分を押さえられなくなる。ナマエを愛しているか、わからないのに」


許せなかった。

ナマエはそんな簡単に、この男に抱かれているのか。

殴ってやりたい衝動を押さえつつ、それでも調査兵団の兵士としてここにいられるならそれでよかった。

いつでもナマエに会える。

例えナマエが、俺を忘れていても。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ