long/温かな光
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調査兵団が、壁外調査に向かう。
「行ってらっしゃい」
とナマエが笑った。
「あぁ…行ってくる」
「気を付けてね、えっ、と…」
言葉を探しているようだ。
「えと…絶対、帰ってきてね」
「もちろんだ」
ナマエの頭を撫でれば、ナマエはそっと目を閉じて優しく笑った。
祈っているのだろう。
最近では一ヶ月に一度のペースで壁外調査へ行く。
そのたびにナマエは、寂し気な笑顔を見せるのだ。
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そしてわたしは、計画を実行する。
彼らがいつ戻るかはわからないが、少しでもわたしが誰かの役に立てるように…
現実から目を反らさない為に。
「ちょ、ナマエさん、それ…っ!」
「大丈夫だから貸しなさい!」
「いやぁ、いくらナマエさんでも!何かあったらリヴァイ兵長に怒られるのは僕なんですからぁ!」
倉庫からそれを持ち出すと、管理している兵士がわたしに制止をかけた。
わたしは何食わぬ顔でそれの状態を確認する。
「よし、万全!」
「何が万全なんですか!駄目ですよナマエさん!」
「うるさいわねーケチケチ言わずに貸しなさい!使い方はちゃんとわかってるんだから!」
わたしは立体起動装置を、初めて身に付けた。