short/温かな光

□跳ぶ理由
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団長室へ行きエルヴインに簡単に報告を済ませてから、すぐナマエのいる研究室へ向かおうと決めていた。
幸いハンジは巨人の研究で不在だ。

が、ナマエは研究室にいるどころか、普段と変わらない様子でエルヴインの隣で事務処理をしていた。

そしてエルヴインと俺に茶を出すと、


「あ、込み入ったお話があるのでしたら、わたしは研究室に、」

「大丈夫だ、ナマエ――」

「いや、研究室に行ってろ」


エルヴインの声を制して、俺はナマエを研究室に戻らせた。

それから、出会った巨人どもの特徴や、エレン・イェーガーの巨人化、死者の人数を簡潔に報告したあと、別になんの理由もなくエルヴインにナマエの様子を聞いてみた。


……特に理由はない。


大体、エルヴインだって信用ならねぇ男の一人に違いはないんだ…
いやいや世の中全ての野郎がナマエに関しては信用ならねえ男なんだが。


「ナマエは優秀だ。ただ…ここ数日はミスが目立ったとハンジから聞いている。本気か冗談かはわからないが」

「………」

「だけどお前の事が心配で、限界を越えたんだろう。普段はお前の前では笑っていたいと言っているからな」

「!」



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研究室に向かってくる足音が聞こえた。
ガチャリと開く前に、彼の足音でわかる。
リヴァイが来てくれた…!

扉の開く音と同時に、愛しくてたまらなかった彼が姿を現してくれた。


「リヴァイ、おかえり」

「ナマエ、おまえ…」

「?」


次の言葉を発するが早いか、リヴァイはナマエの唇を塞いだ。


「リ、ヴァイ?」

「黙ってろ」


少し潤んだような瞳で、リヴァイはナマエへの口づけをやめない。


「ナマエ…ただいま」

「………おかえり、なさい」


溢れる涙を止められなかったわたしを、リヴァイは優しく抱き締める。


「不安な時は俺に相談しろ。泣きたい時は泣け」

「え…」

「全部俺に言え」


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気付けなかった自分の歯痒さを腹立たしく思った。
ナマエは心を圧し殺して、俺の為に笑顔振り撒いていたんだ。


ナマエ、全部受け止めてやるか
ら。
この胸の痛みを、共有させてくれ。


おまえのために、生きて帰ってくるから。




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