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□clap 1
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「ねぇ、信じる?」
――氷の大地。
「俺は見えるものしか信じねぇ」
「アルミンの本に書いてあったんだって。エレンが言ってた」
「氷の、ねぇ…」
「地面が氷になるのかな。氷そのものが地面なのかな。広いのかな。どうしてそうなるのかな」
「つまらねぇ事言ってる暇あったら、さっさと報告書まとめろ」
「はーい」
――いつかリヴァイと行きたいな。
「…お前、寒いのは苦手だろ」
「リヴァイとなら暖かいよ」
「そんな訳あるか」
「あ、あと、空から綿みたいな氷が落ちてくる村の話も聞いたよ」
「なんだそりゃ」
「わたしも想像つかないんだけど、おもしろそう」
「お前、憲兵に裁かれるぞ」
「リヴァイが守ってくれるでしょ」
「自由だな、お前は」
「それくらい自由がないと」
――壁の中は息苦しいから。
「ハンジが言うには、そういうとっても寒いところでは、空気の中にある水が凍るかもしれないんだって。えっと、何て言うんだっけ」
「………」
「まぁとにかく、それに光が当たるとキラキラ輝くんだって!」
「………」
「あ、思い出した!ダ」
――ダイヤモンドダスト。の言葉は、唇と共にリヴァイに奪われた。
「外を語るのは、楽しいのか」
「…え?」
「外を語るお前は嬉しそうだ」
「だ、だって、リヴァイと新しい世界が見れたら、そんな素敵な事ないし…」
「そうか」
「ん、っ…り、リヴァイ…っ?」
「新しい事が好きなんだろ」
「ちょ、待って、リヴァ」
「待てねぇ」
「あ、ちょっ、ダメ…っ!」
――新しい未来にそれがあるのなら、迷いなくあなたと。